県政にタックル! VOL.35

 台風に地震、そして 国外ではスマトラ沖での津波。数多くの天災に見舞われた昨年は、自然の驚異をまざまざと感じさせられた一年でありました。本格的な冬を迎えたなかにあって、新潟中越地震の被災者の方々の多くはいまだ避難生活を余儀なくされています。
 「災い転じて福となす」。平成17年がより多くの福が訪れる素晴らしき年となる事を切に願うとともに、そのために自らも責任を持って行動していく決意です。本年も私、吉田大成の活動に対し、ご指導ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。



財源不足は750億円!〜神奈川県政の行方は?

 2月15日に開会される県議会2月定例会の焦点は、まず何といっても平成17年度予算です。
 県税収入については全体で9,250億円と厳しい見通しが示される一方、歳出面では人件費、介護・措置・医療関係費などの義務的経費が確実に増加していくなど、現時点で約750億円の財源不足が見込まれています。神奈川県の財政は、県税収入の急激な減少という事態にでもなれば、再び赤字団体への転落も考えられる、いまだ構造的な赤字体質を抱えているのが現状です。
 巨額の財源不足を抱えた限られた財源の中で、山積する県政課題の解消と着実な施策推進を図るためには、義務的経費の増加への対応はもちろんのこと、聖域を設けることなく、全ての事業に対しゼロベースでの見直しが求められます。スクラップ・アンド・ビルドの手法により、既存事業の評価と見直しを厳しく進めることで財源を確保し、事業の優先度を厳格に見極め集中的、重点的に配分する。知事言うところの「選択と集中」による財政運営を一層推し進め る必要があります。

どうなる水源税!?

 2月定例会のもうひとつの焦点、それは「かながわ水源環境保全税(仮称)」です。
 宮ヶ瀬ダムの完成をもって水資源開発に一区切りついた神奈川県の水行政は、その方向性も「量」から「質」へと転換期を迎えています。しかし、現在神奈川の水源の環境は現在、森林の荒廃や生活廃水等による水質の汚濁など、深刻な課題を抱えています。「水源」という貴重な財産を保全・再生し、次代へと引き継ぐことは、今を生きる私たちの義務でもあります。この喫緊の課題に対処すべく、県民の皆さんから少しずつ負担を頂き、関係施策を体系的、かつ集中的に着実に取組んでいこうというのが、この水源環境保全税構想の基本となっています。
 県はこの水源税論議にあわせ、本構想の裏づけともいえる、新税による新規財源の使途を示す『水源環境保全・再生基本計画(仮称)』の策定を進めています。本計画は、20年後の将来像を見据え、当面5年間に取組む施策事業(新規事業34本)を提示するものです。
 そこで、当然気になるのが、「私たちの新たな負担はいかほどなのか」ということです。現在の計画案では、5年間の総事業費約538億円の内、78億円を新税にその財源を求めており、納税者一人当たり年間約1,900円の負担になると示されています。
 地方分権の流れ、課税自主権の拡大、こうした地方自治体の環境が変化する中で議論がスタートした神奈川の独自税制論議も、関係議案が提案される予定の2月定例会でひとつの区切りを迎えることになります。単なる財源不足を補うことだけを主眼としたかのような、これまでの新税の創設、議論とは異なり、水源環境を守るという理念を前面にだして、政策による誘導を進めようと言う姿勢や、パブリックコメント、タウンミーティングなどにより、折々の場面で県民の皆さんとの議論、意見集約を行いながらまとめ上げてきた姿勢は、神奈川県政にとっても大きな転換点でもあり、貴重な財産にもなったと考えます。
 しかし、議論の経過はもちろん大事ですが、最終的に県民の皆さんに新たな負担(増税)を頂くという事実は変わりません。どのような理念であれ、「税負担は極力少ない中で行政サービスの充実を図る」、これもまた行政に課せられた大きな命題でもあります。2月定例会では、この行政運営の基本にして、かつ最も重要な判断が議会にも求められることとなります。
 是非とも、「水源環境保全税」に関する、皆さんのご意見をお寄せ下さいますようお願いいたします。


代表質問に登壇!松沢知事と初の論戦

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自治基本条例について

Q1.
知事は、マニフェストで自治基本条例(※1)の制定を掲げ、「地域主権実現のための中期方針」にもその検討を位置付けた。知事が考えるこれからの地方自治のあり方、神奈川の姿に照らし、本条例の制定が県政発展にどのような効果をもたらすと考えているのか。

A1.
自己決定、自己責任に基づいた自治体運営が求められている中では、県民の視点に立った県政を一層推進するために、首長の責務や県民投票制度などについて、総合的な視点に立って、県政運営の理念と基本原則を定め、それらを県民の権利として位置付ける意味で、包括的な形で自治基本条例を制定することは有意義。これからの地域主権の時代にふさわしい、透明性の高い、県民本位の県政の実現につながっていくものと考えいる。

Q2.
本条例の検討・策定には、県民の参画が不可欠と考えるが、本条例に対する関心と理解は県民の間に浸透していないのが現状である。今後、検討体制やスケジュールの早期提示はもちろん、庁内での検討と同時に、県民意識の醸成、機運を高めるための取組も必要と考えるが。

A2.
県民意識の醸成や県民参加を含めた策定手続きのあり方については、今後の検討作業の中で検討していきたい。
 また、県自治総合研究センターでの2年間に渡る研究の成果である報告書を一つの素材として17年度以降、議会・県民・市町村など、各界各層の方々の参加もいただいた検討の場を設け、自治基本条例制定に向けて機運を高めてきたい。

※1.自治基本条例--- 自治体運営の基本理念・原則、住民の権利、長や職員の責務、議会の責務、住民参加の手法など、制度や仕組みをルール化した自治体の最高規範であり「自治体の憲法」というべきもの。本県内では川崎市を始め大和市、愛川町で制定されている。



「ニート」について

Q1.
厚生労働省の調査により我が国でも「ニート」(※2)と呼ばれる若者達が52万人にも及ぶことが判り、社会問題となっている。  これからの県政推進にあたっては、県民一人ひとりのマンパワーの醸成、活性化は不可欠であるが、次代の神奈川を担う若者達のかような現状を考えると、このままでは本県にとって大きな損失となりかねない。若年層の雇用問題、青少年育成の観点から「ニート」と呼ばれる若者達の存在に対する認識は。

Q2.
「ニート」への対応は、人材育成、広くは次世代の育成にも繋がる課題であり、現在策定中の「次世代育成支援地域行動計画」にも深く関わりを持つものと考える。多様な課題が輻輳する「ニート」への対応は、現在、各部局で進められている関連する事業を総合的に受け止め、部局間の連携を強化して対処していかねばならないと考えるが。

A.
県としても、若者達が持つ多様な可能性とエネルギーを神奈川の未来のために発揮できるようにするとともに、若者自身が自立し、将来に向け明るい展望を描けるよう、対策が必要と受け止めている。  16年度中に策定予定の「地域行動計画」に位置付け、「ニート」の現状や実態についての各種調査研究や発生要因についての分析などを踏まえながら、若者の自立・就職のための支援策の拡充・強化や、中・高校生段階からの就業体験など職業意識醸成のための教育の充実等により、総合的な対策を 進めていきたい。

※2.ニート(NEET)--- Not in Employment , Education or Training の頭文字による造語。職業にも学業にも就かず職業訓練も受けていない若年無業者のこと。昨年、厚生労働省によりその数が52万人に及ぶという調査結果が初めて示された。経済力の低下、社会保障制度の影響などが懸念されている。



ITを活用した県民参画の推進について

Q1.
高まりを見せる県民の行政への参画意識を受け止めるためには、広報・広聴活動の充実、県民との対話、透明性の高い県政運営の維持が必要。パソコン及びインターネットの利用や、環境整備が進んでいる神奈川ならではの地域特性と、行政へのITの戦略的導入という観点から、ITを活用した新しい県民参画の仕組みや可能性を検討し、神奈川から提起していくべきではないか。

Q2.
ITを活用し、広報、広聴機能を備えた県民参画の仕組みをデザインすることは、新しい県政運営のモデルづくりと言える。その多様な可能性を勘案すれば、構想を練るにあたっては、知事直轄の部局横断の検討チームを設け、若手職員による斬新かつ柔軟な発想に任せてみてはどうか。

A.
ブロードバンドの急速な普及などのインフラやソフト開発が進み、広報・広聴にITを一層活用していくことが求められており、将来的には、ITを活用して、県民意見やニーズの把握、施策への反映を迅速化し、県政と県民との信頼関係を高める新たな県民参画の仕組みづくりを視野に入れていく必要があると考えている。  このような取組にあたっては、民間の知恵も借りながら、施策の形成、実施、評価、の各段階における業務のあり方の検討や、職員の意識改革、ITを使いこなす能力の向上など、全庁的な取組みが必要。  また、新たな課題に対する若手職員の発想力・行動力には大いに期待している。吉田議員の提案も参考にして検討を進めていきたい。

→ 昨年10月、関係課の若手職員をメンバーとする検討会がスタート


NPOとの協働の推進について

Q.
県民活動サポートセンターの開設、ボランタリー活動推進基金21等を通じた協働の実績、そして「NPO等との協働推進指針」の精神を基本とし、今後は、県とNPO等とがパートナーシップを組んで協議を行い、いわゆる「コンパクト」(※3)を締結することにより、互いの関係や役割などを、より明確にすべきと考えるが、「コンパクト」の意義、必要性についての認識は。

A.
コンパクトを締結することは、非営利団体との協働を健全な形で推進していくうえで、有効な手法のひとつであると受け止めている。
 今後も協働の実績を積み重ねながら、新たにNPOの皆さんと総合的な協議を行う場を設け、そのなかでコンパクトも含めた協働の取組みのあり方を研究していきたい。

※3.コンパクト--- 政府(行政)と非営利団体とが社会の向上を目指して協議を行い、両者の関係、役割分担の枠組み、非営利団体の独立性の認識などを文書により明示したもの。’98年にイギリス政府の取組に端を発する。国内では愛知県に例があるのみ。


  
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