平成12年9月27日(水)
神奈川県議会9月定例会 会議録 岡崎知事答弁

 吉田議員のご質問に順次をお答え申し上げます。
 まず、対話型行政の推進を標榜する基本的な考え方についてのお尋ねでございま す。
 お話をいただきましたように、いよいよ地方分権が実践の段階に入って、そういっ た地方分権、あるいは地方自治の本旨を踏まえながら、県政を着実に運営していくた めには、何と申しましても、県民の皆様との信頼関係の上に立って、行わなければな らない。そのために、私どもについて十分なご理解とご協力をいただく、そういうこ とを念頭に置いて、対話型行政を進めていかなければいけない。
 そのためには、何と申しましても、まず、県政の現状について共通の認識を持って いただく。そして対等の立場で、意見を交換し、議論を交わして意志疎通を図りなが ら、県政を一緒になって進めていくんだと、そういうスタイルが理想的な対話行政で ある、かように思っております。
 そのためには、ご指摘をいただきましたように、単に「言っておけば良い」あるい は「聞いておけば良い」という形式的な対話でなくて、お互いにその対話の中から 「そうだな」とか「それは違う」とか、そういう気持ちを伝えながら、それを仕事に 反映させていく、それが非常に大切であると思っております。
 そういう考え方を持って、職員が日々、県民の皆様と同じ目線に立って、責任を 持って仕事をしていく、それが県政全体の対話行政の姿になるべきである、かように 日夜思って仕事を進めているところでございます。


 次に、このためにも広報というものが非常に大切である、それに対する努力・工夫 についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 県民の皆様に情報を的確に、かつ、分かりやすいような形で、しかもタイミング良 くお知らせをするというのは、県政を現実のものとして理解していただくための第一 歩、原点である、かように思っております。非常に大切であろうと思います。
 そのためには、そういった趣旨に添うような形での広報活動の姿が、いかにあるべ きかということを絶えず工夫・努力していくことが大切だと思っております。
 お話を色々頂きました「県のたより」等につきましても、そういった観点から、と もかく、戴せていればいいということではなく、それが県民の皆様に分かりやすく読 んでいただける、あるいは、あまり時間をかけなくても御理解いただけるような、ビ ジュアルなものになるように、そういったようなことも、限られた紙面ではあるけれ ども色々、考えなければ行けない、ということもございますし、インターネットとい うのも将来に向かっての、大変大きな、そして新たな広報手段として、その充実に配 慮していくのは、もとよりであろうと、かように思っております。
 そのほか新聞テレビ等々につきまして、県政の情報をできるだけ克明に掲載をして いただく、正確に掲載をしていただくということも非常に大切でございまして、記者 に対しての色々な情報提供、あるいは記者会見の場等々で、そういう気持ちを込めて 対応を図っているところでございます。
 もう一つ広報全体につきまして、知事がどういう考えを持っているか、知事の顔が なかなか見えにくいではないか、もっと積極的に顔が見えるような形での広報を考え たらどうか、こういう御忠告も頂いております。
 私もお話を承っておりまして、色々しているつもりではありますけれども、まだま だ不十分なのかな、というふうな気持ちを持っています。
 「県のたより」等につきましても、しばらくの期間は、総合計画につきまして、毎 月、私なりに思うことをかなり長くお知らせをする、あるいは、気持ちをお伝えする ようなことで文章をを連載をいたしていたこともあるのでございます。  その他、色々な対話集会等々には、できるだけ、まめに出て、お顔を見ながらお話 をする、というようなことも、努めているわけでございますけれども、お話を頂きま した、より、その点については、力を注いでいかなければならないな、というふうに 反省をいたしているところでございます。
 尚、最後に効果の把握ということもご指摘を頂きました。
 確かに、これにつきましても客観的な形での効果の評価という物を、ある程度、時 系列的に、きちんきちんと取っていくと言うことも、また非常に大切なことである と、かように思います。


<1-3=パブリックコメント>

 次にパブリックコメントについてのご質問をいたきました。
 パブリックコメントの考え方自体につきましては、私ども神奈川県はかなり前から そういった考え方は大切であるということで、総合計画づくりやあるいは財政の現状 のお知らせ、あるいは再建の指針、あるいは今回の税制改革等につきましても、その ような考え方を持ちまして、前広に私どもの考えていることにつきましては、素案の 段階からお示しをし、それに対してご意見をいただく、フィードバックを重ねながら 施策を制度化していく、その際にはバックデータ情報等も十分お知らせをする、こう いうことは大切であるということで、行政を進めてきたつもりでございます。
 そういう流れの中で国全体として、あるいは自治体全体としてパブリックコメント という形で制度化をするということでございます。国が旗を振る振らないは別といた しまして、私ども今の時期に私どもなりのパブリックコメントの制度化をきっちり整 えまして、県民の皆様にそういう形で私どもがやっているんだ、これからもやってい こうとしているんだということを知っていただきたいなと言うことで、今具体的な作 業を進めております。
 内容でございますけれども、国は規制の設定とか改廃ということを中心パブリック コメントのシステムを考えておられますけれども、私どもはもう少し範囲を広げまし て、計画の策定とか県の主要な施策にも取り組んでいきたいなと思っております。
 情報提供の方法につきましても、これは、ホームページであるとか、県のたよりと か、ファックスとか、あるいは県内各地域に県政情報コーナーというのがございます けれども、そういうところを情報提供の拠点地にもしていこうということ、さらには バックデータ等の提供等も十分行っていかなければならない。
 さらにこの制度の形づくりに際しましては、それこそ素案の段階からずっと意見交 換を図りながら完成させて参りたいということで、全体の作業を通じまして、できる ことなら本年度中には全体の現実の姿が制度として見えるような段階にまで運んで生 きたいな、というふうに腹づもりをいたしているところでございます。


 次に、NPOと行政の連携をどう進めていくのか、さらに今まで以上に進めていく 時期にきているのではないか、こういうお尋ねをいただきました。
 県とNPOのかかわり、あるいはボランティアのかかわりというのは、形を問わな ければ、福祉等々の、あるいは、国際的な活動について、かなり、前からいろいろな かかわりを持ってまいっておりますけれども、特に最近時点の話としては、よく言わ れるのは阪神・淡路大震災以降の事でございますが、それ以降のことで申しますと、 私どもはこのNPO、ボランティア活動に資するようにということで、8年に県民活 動サポートセンターを設けました。活動の場の提供、情報の交換等々に資するという 意味で今日までかなり力を入れて充実を図って参りました。それなりの効果を上げて きているものというふうに思っております。
 そのほか、県の施策としては、神奈川の女性センターでも、このような観点からの 活動が行われております。また、地球市民かながわプラザでも、主として国際交流関 係でのそういった面での活動の場にもなっているということもございます。
 こういった動きは市町村にも波及をいたしておりまして、私どものセンターを参考 にしていただきながら、市町村にもいろいろなボランティアのサポートの施設が増え つつある、というような進展も見られてきているところでございます。
 これから先に、どういう形で行政がかかわりを深めていけばよいのかということ は、確かに時期といたしまして、今、過去を振り返りながら、将来にわたってもう少 し踏み込んでもいいということがいろいろとあるのではないか、ということで、今、 内部では少しく勉強を強めているところでございます。


 そこで、お話では、経済基盤の確立ということについても支援策が何か考えられな いか、あるいは人材の育成ということも非常に大切である、こういうご指摘も頂きま した。
 NPOの皆様方が活動するに際して、場所がない、あるいは情報が少ないというこ とに加えまして、いちばん中心的には資金が(足りない)、こういうお話はたくさん あることは承っております。
 そういうことに対しましては、県では、県自体ではございませんけれども、これま でも、ある分野分野では、ささやかながら資金的な面での支援もしてきたわけでござ います。かながわともしび基金でございますとか、民際協力基金等が、それのために 活用が図られているところでございますけれども、これは部分部分のお話かな、とい うふうに思います。
 また、今多いに期待されているのは税制、寄付金に対する税制上の優遇のお話でご ざいます。これにつきましては、国に対しまして私どもも強く働きかけをいたしてい る、ということと同時に、もう一つ私どもが今していることは、NPOの活動、ボラ ンティアの活動を支えるNPOと申しますか、活動を支える財団、いろいろな財政財 団がございます、そういったものについての情報基盤の確立に向けてのお力添えかな というふうに思っております。
 これから先、将来を考えてまいりますと、何と申しましても経済的な話につきまし ては、NPOのもっとも基本的な原理と申しますか、理念であります自主性を損なわ ない形というのをきっちと担保しながら、そしてNPOと行政との間の距離をしっか りと確認しあいながら、どういう形であれば対等な立場で、一緒になって公共的な サービスに取り組むことができるのか、あるいはそういったことについて評価でき て、それに対して県民の皆様の御理解を踏まえながら、支援、あるいは助成する事が できるか、ということについてはいろいろ新しい動きも少しずつ見られて来ているわ けでございますので、そういうことも参考にして、具体的な勉強を強めていきたいと 思っております。
 人材の育成につきましては、いろいろとNPOのアドバイザーというものを皆様方 にご紹介するとか、あるいはNPOの活動のためにマネジメントセミナーなども行 う、それの情報を提供するというようなことで人材の育成に対する支援も努めていき たいと思います。


 次に高齢者施策についてのお尋ねがございました。まず地域ケアにおけるNPOや ボランティアの位置づけと施策展開の考え方ということでございます。
 高齢者の方々が住み慣れた地域での必要なサービスを受け、安心して暮らせるよう にするためには、在宅介護支援センターを中心とする地域ケアというのが非常に重要 である。したがって、そのためのし仕組みをつくることが大切だということで「かな がわ高齢者保健福祉計画」においても、大変重要な柱とし、その計画の中でお話しい ただきましたNPOボランティアは、その地域ケアの重要な担い手として位置づけさ せていただいておりまして、活動を期待いたしております。
 例えば具体的には介護保険における指定事業者としての活動、あるいは配食サービ スなどを市町村が実施する高齢者事業の受託者としてサービスを提供していただくと いうようなこと。あるいは一人暮らしの高齢者への訪問活動や、生きがい・健康づく りなど高齢者の日常生活全般の支援をする、そういった役割を担っていただくことが ふさわしいのではないか。こんなふうに思っております。
 そういった活動をしていただくためには、高齢者がどういう需要を持っているか、 そしてその実態を把握して、NPOのほうと結びつける、そしてどういう利用サービ スをしていただくのがいいのかという調整をしてもらう期間「在宅介護支援セン ター」にそういった機能を強く求める。そして充実してもらうということが非常に大 切だろうということで、そういう方向で「在宅介護支援センター」の設置を促進し、 支援に努めていくという、こういう状態でございます。


 次に、介護予防あるいは生活支援サービスを提供する際の、NPOやボランティア の活用、連携の方策について、お尋ねがございました。
 いわば介護保険制度の枠内の話だけでなくて、それの更に外側の高齢者の方々がゆとりを持って生活できるような形に対するお手伝い、ということだろうと思いますが、例えばそういうことにつきましては、配食サービスの分野では、生活支援事業としてすでに市町村から委託を受けて活動しているところもございますし、また、デイサービスセンター等で調理したものを、ボランティアの方が高齢者のお宅にお届けをする、それによりましてその方の安否の確認を同時に、こういったお仕事もしていただくケースもいろいろと出てきているようでございます。
 また、高齢者の方々が外出される際に、その外出が安全に行えるように、ということでの、車等の乗り降りの介助について近くにおられるボランティアの方々、あるいは外出先のボランティアの方々がお手伝いをする、こういう事例等も広がっているわけでございます。
 そういった個々の細やかなお手伝いといったことについて、NPOの活動が拡大しつつあるし、活動が期されている、これにつきましてもやはり、そういった一人ひとりの高齢者の方々のイメージと、NPOを結びつける、ということが、非常に実効あらしめんためには大切でございますので、このへんについても組み合わせ、結びつけということが、どういう形であれば一番効果的か、というようなことにつきましては、いま私ども県と市町村と一緒になっていろいろ勉強会をいたしております。そういった成果も、また、今後現実に活用していかなければ、こんなふうに思っているところでございます。


 最後に、介護保険のサービス評価の仕組みづくりについて、お尋ねがございまし た。
 介護保険制度につきまして、サービスの質を客観的に、公平・公正に評価するとい うことは非常に大切であるということは申すまでもないことでございまして、この点 につきまして神奈川県では、平成9年度から、福祉関係事業者や市町村等で構成され る「かながわ福祉サービス振興会」におきまして、サービス評価制度のあり方を検討 してまいりました。
 評価手法の検討・開発の主たる内容でございますけれども、評価につきましては、 いろいろな側面から行います。一つは事業者自らが評価をする、サービスを提供する 側からの自己評価をまずきちっとやるということで、「サービス技術に関するマニュ アルづくりや研修の実施など、サービスの質の向上に努めているか」とか、「職員体 制は十分か」、あるいは「事故等の緊急時の対応が徹底されているか」等々、いろい ろな項目について自己評価をする、という側面がございます。もう一つは逆に、実際 にサービスを受けた利用者側から見て、「担当者は丁寧に対応してくれているか」、 「サービスの内容に満足できるか」、あるいは「内容や利用料についてきちんと事前 に説明してくれたか」等々、利用者が期待されているサービス内容についての利用者 評価、この2面をまずいたしまして、この2つの評価を二本柱として、県が定期的に 実施をいたします事業者指導の内容を加えまして、振興会の内部に設置いたします サービス評価委員会が、2つの評価が妥当かということを点検して、これをオープン にしていこう、こういう評価システムでございまして、現在粗々のかたちができあ がっておりまして、すでに進捗している訪問看護、あるいは訪問介護や居宅介護支援 など、利用者のニーズの高い3つのサービスについての評価シートを作成した後に、 これをいくつかの市町村で試行してみよう、こういう段階に入っております。平成13 年度には、この3つのサービスについての本格的な評価を実施し、そして今後順次対 象を拡げていこう、こういう予定で考えております。
第三者による評価につきましても、すでに県内の15の市町村で導入を検討してい る、こういう状況にありまして、おういったことを我々は待って、神奈川の評価制度 が充実されてくることになる、以上でございます。


吉田大成 再質問/要望

 対話型行政、県民参加の推進について、これまで神奈川県もそうですが、開かれた 県政、身近な県政、というこれに類する言葉というのは、数多くの地方自治体で使わ れておるところで、何らかの形で掲げられている言葉でありますが、この「開かれ た」というものをどのようにとるのか、行政の側が私たちは開いている、と考えるの ではなく、県民にとってそういうふうに感じられなければ、それは実現はできていな い、そういう状態にはないということを改めて認識していかなければならないのかな と思っている。
 また、県民の意識の高揚という意味でも、県民の自己努力というのは必要と思いま すが、県民が県に対して、何をしてくれるのか、そういうことを求めるということで はなくて、県民が県に対して何が自分たちにできるんだろう、そういうことを主体的 に考えていただけるような、施策、取組みも今後行政としても進めていかなければな らないと思う。
 そうした視点を持っていけば、パブリックコメント制度についても本当に実行のあ る制度となるのではないかと思う。
 このパブリックコメント制度については、県民部を中心に議論、検討を進められて いるということですので、ぜひ、本年度には、という腹づもりで終わることなく、知 事のリーダーシップのもと、川口県民部長のお力も発揮していただいて、鋭意検討を 進めていただくことを要望する。


     
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